Earn-Out(アーン・アウト)
買い手が売り手に対して、買収対価を支払う際、一部を後払いにすること。
例えば、100%買収であっても、30%は後払いにするという取り決めであり、最終契約書に規定され、その条項をアーン・アウト条項と呼ぶ。
買い手に支払い能力がないからではなく、買い手が売却会社 or 対象事業の事業計画の蓋然性に疑義があり、支払いの一部を契約時点ではなく、将来時点の評価に基づいて、株式価値を再度算出し、新たな株式価値をベースに後払いにする。
売り手からすると、事業計画通りに業績が達成できないと、売却価格が目減りするリスクがあるが、事業計画を上回ると、売却価格以上の金額を獲得できる。
事業計画の評価には一定期間が必要となり、1年後 or 2年後の業績を見て評価することになる。シンプルな例では、1年後のEBITDA×10倍というように、最終契約締結時点では、「10倍」だけ両者で合意し、EBITDAは1年後の実績に基づくというやり方。
但し、アーン・アウトは、不確実性が高く、売り手不利な状況も考えられる。
具体的には、売却後の事業運営について、売却前のような自由な経営ができない(買い手の意向に合わせる必要が出てくる)、組織体制が変わるなど、1年後について、買収前と買収後では状況が変わるリスクがある。
一方で、新たな買収者の傘下に入り、親会社のアセットやリソースを有効活用して、シナジー効果を発揮し、当初の事業計画以上の利益を上げる可能性もある。様々な要因を踏まえて、売り手としては受入可否を検討する必要がある。