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Valuation(企業価値評価):第1回 DCFワークシートのご紹介

M&Aについて
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今回は、Valuationについて、M&Aコラムを書きたい。

最近、個別案件でValuation Sheetを一から作ったり、確認することが多かったので、これを機に弊社Valuation Sheet(企業価値計算シート)のサンプルを共有したい。(※数値はダミー)

今回共有するValuation Sheetは、①DCF法 ②上場類似会社マルチプル法(EV/EBITDA・PER・PBR) ③類似取引比較法 ④サマリー(①~③をウォーターフォールチャートで示したもの)

Valuation Sheet(企業価値計算シート)は、M&Aアドバイザーのコアナレッジであり、一般的には門外不出のもの。東証やクライアントには、企業価値(株式価値)算定書を提示することは、良くあるが、エクセルの計算シートを渡すことはまずない。ナレッジを共有したくない、というのもあるが、これを渡すと、計算内容など全てわかってしまうものであり、仮に計算ミスがあると、言い訳できず、全てのリスクを背負うことになるので、実際に計算したシートを社外に共有することはほとんどない。(弊社は、クライアントと共有したり、クライアントの計算シートに直接確認しに行くので、該当しないが)

特に、”実務で使われる”ようなDCF法の企業価値計算シートは、恐らくウェブサイト上で探しても、見つけるのは難しいだろう。
”実務で使われる”という意味で、ここに共有する企業価値計算シートのポイントは以下の通り。

①計算ミスをミニマイズ
・Valuationの計算は、特に作業量が多く、間違いやすい。計算自体は、四則演算なので、シンプルだが、案件によって、勘定科目が異なったり、カスタマイズが必要となるので、やはりミスが付き物。ダブルチェックはマスト。
・従って、計算ミスをなくすには、直接入力数値を最小限にする。可能であれば、PL/BS/CFは、IMなどの資料を転記するのではなく、売り手にエクセルの値張り財務数値を頂き、それをもとにDCF計算シートを作るのが理想。
・また、後日チェックしやすいように、直接入力数値と計算数値の色を分ける。ここでは、直接入力数値は、水色としている。

②シートを増やさない
・マネジメントケース、ダウンサイドケース、アップサイドケースなど、シナリオを複数作ることが一般的。
・都度DCF計算シートを用意するケースを見るが、そうなると、シート枚数分だけ確認作業が増える。なので、DCF計算シートは、i) 財務数値(元データ) ii) パラメータ(シナリオ作成用) iii)WACC計算 iv)DCF計算の少なくとも4つに抑えたい。
・複数シナリオを作る際、SWITCH関数を使って、あくまでもDCF計算シートを1つとすることを推奨。つまり、ケースを選択するだけで、自動的にDCFが計算できるようにする。これは、確認手間がかなり削減できる。
・但し、添付のようにシナリオ毎のパラメータ決定とその作り込みシートが必要となり、相応の時間を要するので、要否はユーザーにお任せしたい。

③データは99%無料入手
・対象会社以外の数値(上場類似会社・マーケットデータ等)は、ほぼ無料で入手が可能。リンク先も記載。
・但し、Small Size Premiumだけは、どうしても無料で入手できないため、使用する場合、M&AアドバイザーやIbbotsonといった、外部ベンダーから購入いただく必要がある。

④案件に応じたカスタマイズ
・PL・BSの科目や構成(事業別の損益)、シナリオの作り方(サンプルでは、「事業別売上高成長率」を変数とし、コストは固変分解)は、案件ごとに異なるため、カスタマイズが必要。
・DCFの計算においても、個別案件ごとに判断が必要な部分もあるため、詳細は専門家に聞いた方が良い。

今回は、まずシートの共有をメインにしたため、次回は、Valuationについて説明を行いたい。

計算シートや企業価値そのものに関するご質問がありましたら、気軽にご連絡下さい。>> こちら(無料)
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