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PMIについて

M&Aについて
d8rkpoogv7x9io7ciwg4_320_400-d165890a.jpg最近は多忙を極めた為、すっかりブログから離れていました。
投資銀行時代、M&Aと言えば、FA業務のみでしたが、起業以降、案件エクセキューションだけでなく、M&AソーシングやPMI(Post Merger Integration:買収後の統合プロセス)に関与する機会が多くなっています。
今回は、PMIについて、少し触れたいと思います。初回なので、PMIの成功ポイントについて。

(1)PMIメンバー選定
有りがちな失敗パターンとして、買収完了以降で、案件メンバーがガラリと変わるケース。
M&Aに慣れた買い手で毎年M&Aチームが何件もこなす場合、買収したらおしまい、後はPMI担当や事業部にお任せ、というパターンが多いですが、まずこれでは統合プロセスはうまく行かない。反対の被買収側の立場に立てば、よくわかると思います。
例え短い期間と言えども、買収プロセスで互いの人となりが分かり、これから同じ船に乗って航行するつもりで、被買収側は覚悟しているにも関わらず、買い手側では先導役から現場の船乗りたちが一斉にチーム替えとなると、どうなるか。
最悪、買収前のDDで開示した情報もすべてリセットされ、事情も分からない人に一から教えたり、事情を分かっていない担当者に機械的に統合作業をさせられると、信頼関係を築くことができるか。被買収側からすると、クロージング日に、-10kmからマラソンをスタートさせられる気持ちでしょう。
できれば、DDの最初/途中からPMIの中心メンバーや買収後に派遣予定のメンバーを関与させ、調査に加わるとともに、被買収側のトップやキーマンとの関係作りを始めるのが理想的。事業部に近いメンバーの方が、よりビジネスの会話ができるので、望ましい。

(2)スタートダッシュ
どのPJにも共通して言えることであるが、PMIにも通じることとして「鉄は熱いうちに打て」という点。最初が肝心。様々なケースがあるが、共通する事実として1つ、買収側/被買収側という立場の違いが存在する。買い手として色々と思うことがあるが、被買収側の現場従業員は、意外と冷静に状況を見ている。もっと言うと、統合するならさっさとやって欲しい親会社からの様々な指示もドンドン言って欲しい、と思っている従業員も多い。特に本社機能はその傾向が強い。一方で、営業・現場店舗・実際のオペレーションに関わるところは、顧客・取引先への影響を最も気にするので、PMIを進める上では、少し分けた方が良い場面がある。
いずれにせよ、被買収側で統合や改革機運が最も高まる期間は、クロージング日からの数か月間であり、いつのタイミングで買収側もそのモードを加速させることができるか。
まずは、信頼関係構築が重要と考えるのが通常ではあるが、できれば、SPA締結~クロージング日までの間もうまく活用して、キーマンとの信頼関係作りを行い、早々に100日プラン(WBS)を作成して、PMIプロセスに入っていくのが望ましい。

(3)PMIタスク
統合にあたって、色々とやることが出てくる。買い手が上場企業であれば、ガバナンス体制や連結対応、未上場であっても業績報告やマネジメント方法など、色々とやるべきことがある。
子会社として存続する場合は、連結子会社としての必要事項、将来的に合併する場合は連結子会社対応+合併受入準備という2ステップの用意が必要となる。
基本的に、被買収側への依頼事が多くなるため、被買収側のモチベーション維持も重要な課題。買収側の方が給与待遇が良ければ、合併へのインセンティブとなるが、逆の場合は、慎重な検討が必要。
信頼関係構築には、Win-winの関係が望ましいため、是非とも被買収側からの依頼を積極的に取り入れ、スピード感もって対応することが望ましい。例えば、買収者グループの方が知名度が高い場合、被買収者側の従業員の名刺に買収者グループのロゴを入れ、「●●グループ会社の一員」と入れるだけでも、営業マンが非常に喜ぶケースがある。

(4)ヒトの扱いに注意
買収側のルールに寄せることが、前提になることは、被買収側従業員は理解するが、その結果、自分が受け取っている給与に影響が生じる場合、離職率がかなり高まる。特に資格など有している従業員は、転職も容易なので、離職傾向が高くなる。基本給やボーナスの比較はどうか。ボーナスが業績連動の場合、平均での比較は危険になる。また、残業代で多く稼いでいる、子供が多く手当が厚い、子育て女性の職場環境など、手当や人事制度全般での比較が重要となる。例えば、未上場時代は、労働組合がなく、会費はなかったが、上場企業のグループ傘下に入った結果、買い手の労働組合に加入することが必須となり、毎月数千円の会費を徴収されることになり、退職する従業員が発生するなど、予期せぬ事態も生じる。給与・ボーナス・人事評価・労務管理に関しては、性急な対応は禁物で、事前に何度か説明会を開催するなど、なるべく離職するリスクを限定化する努力が必要となる。
また、被買収側の従業員のインセンティブ策として、人事交流を行うことは効き目がある。机を並べ一緒に働くことで互いの違いを肌で理解し、刺激になるので、組織の融合という意味では非常に効果がある。但し、人事交流をする前に、派遣社員の人事評価の取扱いを整理しておかないといけないので、その点は注意が必要。

(5)事業計画
PMIを進める中で、追加コストの発生(システム導入/更新)、事業の展開方針の変更、事業計画の精査など、買収時に買収価格のベースとなった事業計画の見直しをせざるを得ない状況は多々ある。特に下方修正となると、上場企業の場合は、いきなり減損リスクに晒されることになるため、慎重に検討することが必要となる。いずれにせよ、PMIタスクの遂行の中で、シナジーの定量化も取組み、できる限り、利益をかき集める努力は必要。また、モニタリングとして、KPIの設定も必要となる。

まずは、これら5つのことを念頭に、PMIに取り組むのが肝要と思います。

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