M&A事例:UTグループによる日立茨城テクニカルサービス買収
2023年10月30日、UTグループによる日立茨城テクニカルサービスの買収が発表された。2020年には、水戸エンジニアリングサービスを日立グループから譲り受けており、製造業人材のキャリアプラットフォーム企業として、今後も動向が注目される。
本件を見て思ったことは、
・UTグループによるM&A戦略は大手企業にとって魅力的
・次の人材派遣製造子会社の切り離しもあり得る
UTグループは、製造業向けに構造改革需要に対して、人材流動化支援を中心に成長してきた。今後は、更に踏み込んで、大手製造業が保有するグループ向け人材派遣子会社をM&Aで取込み、自社の顧客基盤をフル活用して、グループ外にも製造業人材の活躍の場を提供する。
大手製造業としては、グループ内だけでは人材再活用に限界があることから、製造業での幅広い顧客基盤を有するUTグループが様々な人材に更なる有効活用機会も提供できるため、安心して、人材を任せられる。
また、構造改革による人材の再活用やシニア人材の活用が更に求められ、ベストオーナー議論も活発化する中で、他の大手上場企業が保有する人材派遣子会社の切り離しニーズもあり得る。
まだ、多くの人材派遣子会社を有する上場企業は多いことから、今後も受け皿として、大手人材派遣会社が買収する同様のM&A事例は増えるものと思われる。
(参考)最近の売却済み人材派遣子会社
・ディンプル/J. フロント・リテイリング → ワールドHD(2022)
・富士通エフサス・クリエ → UTグループ(2021)
・水戸エンジニアリングサービス/日立製作所 → UTグループ(2020)
・ニコン日総プライム/ニコン → 日総工産(2019)
・MHIダイヤモンドスタッフ/三菱重工 → パソナ(2017)
・NTT系人材子会社2社・4事業/NTT → パソナ(2017)
・パナソニック エクセルスタッフ/パナソニック → パーソル(2014)
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