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会社を売りたい方へ。会社売却のポイント。

M&Aについて
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自分の会社の売却を検討する際に、まず抑えるべきポイントをここに挙げます。

①いくらで売れるのか?
②誰が買うのか?
③会社の売却で周りに迷惑が掛からないか?
④誰に相談すれば良いか?
⑤いつから考えれば良いか?
⑥まず何からすれば良いか?
⑦売却後はどうなるのか?


①~⑦まで順を追って説明したい。


①いくらで売れるのか?

従業員や取引先などステークホルダーがいる手前、大きな声では言えないですが、対象会社の株式を持っているオーナーであれば、気になるのは正直なところ。

未上場企業の場合、価格算定式で、純資産額+営業利益3~5年分EBITDA×8年~10年分など、様々言われますが、私の経験上では、例え業種が何であれ、余程良い会社でないと、そのような価格はつかないです。

では、買い手にとっての良い会社とは何か?一言でいうと、誰もが欲しがりそうな会社であり、具体的には、以下のポイントがクリアされている会社です。

・赤字ではなく、債務超過でもない。
・キャッシュフローが安定していて、順調に売上高・利益が増加している。
・将来の売上高・利益予測も信頼できる。
・取引先には上場会社も多く、取引数も分散している。
・他社にはない、競争優位な技術・ノウハウ、差別化できる製品、キラリと光るビジネスモデル、営業/販売力や独自の営業網・手法がある。
・買収後もオーナー・社長・キーマンが一定期間、会社に残ってもらえる。
・社長が居なくなっても、業務が運営できる体制が整っている。
・法令違反もなく、簿外債務もない。財務状態が健全。
・売上高は少なくとも10億円以上ある、など。
・これらをすべてクリアして、事業承継で悩んでいる会社


どうでしょうか。もし、自分が「良い会社」の経営者であったとして、売りたいでしょうか?売りたいとしても、幅広く声をかけたいでしょうか?

このような会社は、どの業種でも引く手あまたです。後は価格目線が買い手と合うかどうか。売却前には、恐らく既に複数社から声が掛かっているし、本気で売却しようとすると、その算定式に近い金額で売却できます。私も過去にお手伝いした会社で、いずれもクリアできる会社売却のケースはありましたが、既に2-3社から声がけがされており、むしろClosedなプロセス(その会社を知らない方や売主によって意図的に外された買い手には案内が届かないやり方)で進める、売り手が買い手を選べるような状況でした。

逆に言うと、上記ポイントで何らかの課題がある会社が、売却案件として広く紹介されるケースがほとんどです。慣れた買い手であれば、その事情を理解した上で、ディスカウントした価格算定をするので、結果的にその算定式には届かない、と言うことになります。

この辺りは、売主に説明をすると皆さんは一様に理解頂けるが、ただ悲観的になることもないです。聞いてみると、
(1)意外と売主が課題と思い込んでいるケース
(2)譲渡対象企業の実態や状況を買い手に説明すると、買い手によっては程度が軽いこともあるケース
(3)課題があってもそれを上回る技術・ノウハウや社長の資質があるケース

など、様々な事情があり、結果として良い価格を提示する買い手も出てくることはあります。(後段の⑤誰に相談すれば良いか?を参照)

これらの事情を理解せず、M&A業者の言われるがままに、煽られながら、プロセスを流され、引くに引けなくなり、結局安値で売却せざるを得ない(or そのように自分にも言い聞かせる)オーナーも多いと思います。

私からの提案として、M&A業者とは専属条項*のあるアドバイザリー契約をせず、セカンドオピニオンを取れるようにしておくこと、仮に専属条項があったとしても、買い手と交渉に入ったとしても、譲れない条件を確りとプロセス開始前に定めておくこと(M&A業者にも確り伝えておくこと。聞いてこない or 真に受けないM&A業者とは付き合わないこと)をお勧めします。(当社は、売主とのアドバイザリー契約の中で、専属条項は入れません

*専属条項: 契約したM&A業者以外とは、会社売却の相談をすることができなくなる条項。ほとんどのM&A業者は、M&A契約する際に売主に求めます。

価格よりも案件成立を急がざるを得ないなど、事業承継問題に時間の猶予がない場合もあると思いますので、ケースバイケースですが、良い価格で会社譲渡を考える場合、上記ポイントを押さえながら、信頼できる専門家から上記ポイントを客観的に評価してもらい、少し早めに準備することをお勧めします⑤いつから考えれば良いか?を参照)。なお、上場会社の場合、既に株価が付いているので、非上場企業以上に悩むことはないです。


②誰が買うのか?

これは価格以上に重要になるケースが多いです。結局、買い手が現れないとM&Aは成立しません。興味のある買い手が複数現れて、良い価格を提示してきても、最終契約締結まで買い手がついて来れないと意味がないです。

つまり、本当に買収する意向のある買い手(売主の希望条件に真剣に向き合ってくれる買い手=「リアルバイヤー」)を連れて来る必要があります。アドバイザー選びのポイントの一つとして、「リアルバイヤーを知っているか、連れてこれるか」というのは重要になります。

過去売主のアドバイザーを務めた経験から、ある程度興味のありそうな買い手を複数挙げることはすぐにできます。しかし、リアルバイヤーを特定することは難しく、個別案件をもとに、そのタイミングでディスカッションしないと分かりません。

私も長年M&Aアドバイリー業務を行っていますが、正直なところ、外見的に事業内容・領域・地域的に売主と距離が近い買い手候補であっても、買い手は対象事業・バリューチェーン・規模・地域・取扱製品/サービス・強み/弱みなど、色々な観点で直接会話をしないことには本当の興味度合いは、わかりません。買い手のニーズにピッタリと当てはまっていても、タイミングが悪いと見送られるケースもあります。

ロングリスト作成時には、買い手候補数の半分は、自分の経験から分かります(同業や近しい先)が、残り半分は、未上場企業を含め、色々と調べて候補を上げていくイメージです。情報漏洩リスクを気にしないのであれば、買い手側のFA経由含め、多くの買い手候補に当たった方がより、良い条件での売却可能性は上がると思います。

売主から見ると、意外な買い手候補も存在するので、買い手選定に制限がなければ、FA経由含め、先入観をもたず幅広に当たってみるのもお勧めです。

買い手候補を挙げる上での重要なポイントは、

(1)事業領域が若干ズレているか? ⇒ 人はないものねだりです。会社も同様。結果的に買収した会社と対象会社を比べると、当然被っているもの(製品・販売エリア・技術など)もあるが、買い手にないものを対象会社が持っているか?それが買い手にとっては魅力的なモノか?となります。上場会社であれば、発表している事業計画で分かる場合もありますが、タイミング等もあるので、「魅力的なモノか」は本当のところ聞かないと分からないです。

(2) 買収余力があるか? ⇒ 結局、買収興味があっても、買う余力がないと、リアルバイヤーではないです。売上高・利益・手元資金(有利子負債水準)から判断します。

(3)過去M&A経験は十分にあるか? ⇒ お金があり、興味度合いが強くても、最後の契約まで行かない買い手は、M&A経験数が少ない場合が多いです。或いは、最後にビビッてしまい、買収条件をかなり厳しくして、破断することもあります。リアルバイヤーは、決断できる会社となるので、買収規模感含め、相手のM&A経験値を確認することは重要です。

(4)買い手の中で誰が興味を持っているか? ⇒ 大きな企業になると、初期段階で買い手のトップの意向を確認することは難しいですが、少なくとも最初の意向表明書(LOI)提示の際には、トップの意向を反映した内容であることが重要です。プロセスは進んだものの、DD後半に入り、トップに報告してすぐに見送りすることも良くあります。売主からすると、最初に確認すれば、済むことを案件後半に、そのようにされるとかなり、それまでの労力含め、かなり痛手です。


③会社の売却で周りに迷惑が掛からないか?

社歴が長ければ長いほど、価格以上にこの点を気にするオーナー社長は多いです。特に、売却後の従業員や取引先に迷惑が掛からないか、を気にします。M&Aは秘密裏に進むことが一般的なので、従業員や取引先からすると、突然発表されるケースが多く、彼らに動揺されるケースも多いです。従って、迷惑は少なからずとも掛かってしまう、というのが答えであり、その迷惑度合いが問題となります。

従業員であれば、売却後は自分たちの仕事がどうなるのか(バックオフィスや営業部門は統合され、お役御免にならないか)、仕入先であれば、売却後も今まで通り取引を継続頂けるのか買い手が同業の場合、販売先にとって仕入ルートが1つ減るので、取引量の調整が必要にならないか、など。

これらを踏まえ、買い手とは売却プロセスの中で、従業員の処遇(売却後、当面の間、勤務条件や処遇を変えないなど)や主要な取引先への対応(買収後すぐに一緒に説明に行く)など、確りと話し合い、買収発表後にすぐに協働して対応できる体制を構築する必要があります。発表後、直ぐに対応するかどうかで、その迷惑度合いの大きさは変わります。

私の経験では、M&Aに慣れている買い手であれば、この点は売り手と同じくらい気にするので、むしろ売主の方から売却にあたっての希望条件を初期段階より、確りと伝えておくことをお勧めします。

逆に買い手側が気にするポイントは、オーナー兼社長の場合、社長は売却後も会社に残るか、です。多くの買い手は、売却後も一定期間は社長には会社に残って頂きたいと考えます。理由は、中小企業の社長の影響力は会社規模が小さいほど大きいので、社長が売却後にすぐに退任されることを嫌がるからです。この点も自社の状況を踏まえ、オーナー自身の売却後の立ち位置も、売却を検討する際には、考えておく必要があります。

なお、売上高20~30億円以上で、ステークホルダーを気にしないなら、買い手候補として投資ファンドも挙げることはできます。


④誰に相談すれば良いか?

まずは、家族です。自分で創業した会社を「売却」すると、「会社を退任する」こともあります。売却後すぐではなく、一定期間後に退任するケースが多いですが、報酬は減額することも有り得るので、家計への経済面や家族との時間にも大きく影響します。
会社に家族が関与している場合は、なおさらです。例えば、奥さんが経理担当をしている、ご子息が会社に在籍しているケースなどです。最近では、敢えて子供に会社を継がせないケース子供も親の会社を継承しないケースもあり、第三者への売却を前提に検討されているオーナーも多いです。なお、家族の状況は様々で、家に仕事を持ち帰らない、言わなくても家族は理解してもらえるなど、あまり問題にならないのであれば、会社内だけで考えるケースも多分にありますが、私が会社を売るという立場になると、まずは家族に相談します。

次に、個人的に親しく経営の悩みを相談できる信頼のおける方です。良く聞く相談先は、長年取引関係のある取引先の社長や知り合いの社長・元社長等であり、同じ目線でM&Aに関する情報を収集することも重要です。過去に会社売却を経験された元オーナーであれば、売却後の状況について様々な役立つ情報を聞くことができます。

その後は、信頼がおける会社幹部です。具体的には、創業以来、長く会社を支えてきたパートナーや財務に詳しい管理部門の担当役員(番頭さんのような方)です。もちろん、彼らも後継者候補となりますが、年齢によっては、社長承継を拒否されるケースもあるので、その場合は第三者への売却可能性についても彼らと事前に相談する方が良いです。

身内・社内等、徐々に売却意向のコンセンサスを固めた後の相談先としては、外部のM&Aに明るい専門家です。当然ながら、会社売却の情報は高い機微情報であるので、長年の信頼関係があり、会社の財務状態や事業内容を知っている、顧問税理士・会計士や弁護士、取引先銀行、経営コンサルタントなどになります。専門家に相談する際の、私からのアドバイスは、以下のポイント。

(1)本当に信頼がおける専門家か?(クライアントの利益のためにサービスを提供するか。M&Aのことに詳しいか)
(2)リアルバイヤーを知っているか?
(3)リアルバイヤーのキーパーソンとコンタクトがあり、トップ面談に引き合わせることができるか?
(4)(2)(3)が無理でも、①で上げた良い会社の基準に照らして、対象会社を客観的に評価でき、買い手に確り説明・アピールができるか。
(5)(4)がクリアでき、短期間で多くの買い手候補に積極的・効果的にアプローチできるか。


次の株主(事業会社)に事業を継承する場合、これらのポイントを押さえながら、まずは近くの信頼がおける相談先と話をしてみることをお勧めします。なお、信頼がおける取引先銀行や税理士事務所がM&A対応をできない場合、他のM&Aアドバイザーを紹介することもあります。彼らが連れて来るM&A専門家 = 信頼がおけるアドバイザーという訳ではないので、注意が必要です。特に、紹介を受ける際は、その相談先が紹介するM&A専門家から相談先がキックバックを受けるかどうか、も確認した方が良いです。

なお、上記以外に最も信頼のおける取引先に相談することもあります。その場合、メリットとしては、会社規模が大きく財務基盤も確りした取引先であれば、従業員の不安は少しは払拭できます。一方で、デメリットは、あくまでもビジネス上の関係であるため、良い売却価格・条件でのM&Aが期待できないこともあります。

M&A専門家を選ぶ上で、重要なポイントは、売主・会社のために確りアドバイスをして、行動に移してくれるかどうか、だと思います(当たり前ですが)。そのためには、売主の希望や会社の事業・状況を確り理解し、良い買い手を連れてこれるか、その買い手からより良い条件を引き出せるか、そのためのアドバイスや行動をできるか、と言う事だと思います。買い手探索においても、アドバイスだけでなく、最後まで確り探してくれるか、という点も重要です。

①いくらで売れるのか?にて、良い会社の条件を挙げた際に、それら項目をアドバイザーとして客観的により適切に分析・評価し、売主にとって優位な状況でM&Aを進めることができるか、と言う点も重要だと思います。


いつから考えれば良いか?

当社のように、クライアントの利益最大化をベースにアドバイザリー業務を行う場合、売却価格だけでなく、ステークホルダーへの影響にも最大限配慮するため、買い手選定や売却準備、売却後の引継ぎに時間をかけた方が良いと考えています。

具体的には、(1)M&A検討期間、(2)M&A実施期間~(3)M&A後の引継ぎ期間をトータルすると、最低1年~1.5年を見ておいた方が良いです。売却をゴールとすると、最低6ヵ月間は、(1)検討、(2)実施にかけるイメージです。

但し、実際に相談されるケースでは、既に(1)M&A検討を自社で行っているケースも多く、(2)M&A実施期間だけであれば、売却準備と正式なプロセス開始から、3~4か月で終わるケースも多いです。

あとは、(3)M&A後の引継ぎ期間ですが、前述の通り、買い手はオーナー兼社長の売却後の引継ぎ期間として、最低6ヵ月間を求めるケースが多いので、オーナーとしては、トータルで、検討開始から退任まで最低1年見ておくことをお勧めします。なお、会社規模や日々M&Aに携われる時間によって、長くなるケースは多分にあります。


⑥まず何からすれば良いか?
(1)引退/売却時期の検討
オーナー経営者に定年はありません。自分が続けたいだけ、働くことは出来ます。但し、余生をどう過ごすか、体が動き続けるまで働きたい、売却資金を元手に家族との時間や趣味の時間を作りたい、或いは新たなビジネスを始めたいなど、自身の人生観が影響します。家族など近しい方と相談をして、まず自身の引退時期(= 会社の売却時期)を決めることをお勧めします。

気を付けるべきは、売却後の引継ぎ期間も考慮することです。なお、多くの買い手は、ステークホルダーとの関係や社長の影響力を踏まえ、引継ぎ期間が長い方が良いと考えるケースも多いので、最長売却後2年間の在籍可能性があることも念頭に置くことを勧めます。(これはあくまでも、売主の希望や買い手との交渉次第です)

(2)希望する条件の検討
家族や会社幹部に相談する前に、売却にあたって、自身で譲れる/譲れない条件の整理が必要です。条件とは、売却金額、売却先、売却時期、売却後の従業員の処遇、取引先の扱い、会社名・ブランド名の存続など。多くの事業会社オーナーは、当然自身の会社・ステークホルダーへの責任感や愛着を持っていますので、まずは自身で決められることをお勧めします。

(3)信頼できる相手への相談
④で上げた信頼のおける相談先への相談です。社内外に近しい方がいない場合、又はいたとしても話がまとまらない可能性もあるため、敢えて相談せずに外部相談先・専門家にいきなり話をするケースもあります。外部のM&A専門家に相談すると、関係が遠いほど、経営者個人の悩みに傾聴するというより、具体的なM&Aの進め方などの方法論を説明される傾向にあるので、その点からもM&A専門家との相性も気にされた方が良いと思います。具体的な進め方については、専門家が示すプロセス・スケジュールに乗れば良いと思います。なお、譲れる/譲れない条件については、M&A専門家と事前に握っておく、その拘り条件に理解してもらえるM&A専門家を選任することをお勧めします。


⑦売却後はどうなるのか?
(1)引継ぎ期間がある場合
引継ぎ期間がある場合、親会社から派遣される次期責任者に引き継ぐことが業務となります。引継ぎ期間が終了すれば、業務が無くなり、退任となります。売却時に引継ぎ期間を決められるので、その期間の雇用は確保されます。(状況によっては、前倒しされることもありますが)

なお、買い手によっては、特に親会社から経営陣を派遣することなく、これまでと同じように元オーナーに経営を任せる(権限もそのまま委任する)こともあります。当然、業績や重要事案の報告/事前決裁義務は生じます。なお、このケースにおいて、アーンアウト条項*に応じることもあるので、売却後に期待された成果がでないと、後払い金額が下がったり、前倒しでの退任を余儀なくされることもあるので、これは確り売却交渉の中で、買い手と協議する必要があります。

*アーンアウト条項: 株式譲渡契約書の中に織り込まれることがある条項で、100%株式譲渡であるものの、一部の株式対価は、買い手による後払いとなり、その後払い分の売却金額は、譲渡後の一定期間の業績に連動して変更するという内容。特に、設立短く、急成長フェーズの会社や買収後に急成長を見込んでいる会社を買収する場合、買収後の事業計画の蓋然性が低いため、買い手が求めて来るケースがある。


(2)引継ぎ期間がない場合(引継ぎ期間が終わった場合)
無職となります。極端なことを言うと、会社売却日に、オーナー兼社長は、代表取締役社長を退任するので、特に後の雇用がなければ、職がなくなります。意外と話題になりませんが、実は無職になったことがない社長であれば、結構衝撃的なことであり、誰も社会保険料を会社が払ってくれない(保険証はどうなる?)、名刺もない、会社名義の社有車は使えるのか、個人保有の不動産はどうなるか、クレジットカードは使い続けれるのか、家が賃貸であれば追い出されないか、その他必要な手続きはないかなど、意外と知らないことが多く降りかかってきます。

冷たいことを言うと、退任後であっても、他社から色々と顧問依頼の話が来るだろうと思っていても来ないことが多いです(世間は冷たいと感じるはず)。知り合いの人に頼んで紹介頂くことはありますが、プライド的に自ら依頼したくないなど、あると思います。

会社売却までは、手続きや買い手との交渉でバタバタ忙しいですが、いざ売却日を迎えると、寂しいものです。
退任すると会社の元部下に聞く訳にも行かず、家族に聞いても相手にされないこともあって、お金はあっても、突然小さなことの相談相手もいない状況に直面し、精神的にも結構参ることがあります。

従って、会社売却を考え始めたあたりから、少しずつ昔からの知り合いや元経営者仲間と距離を近づけ、ゴルフや飲みに行ったりすることもお勧めです。(特に、会社売却のBefore/afterでの変化や何が大変だったかを事前に聞いておくのは、意外と助かります

なお、教科書的には、①事前に退任後のプランを考えておく(退任後、1年間ゆっくり奥さんと過ごすのも良いです)、②プランがなければ、会社に一定期間、顧問や非常勤取締役などの名目で、在籍を依頼するのも手段としては良いと思います(買い手に取ってみてもマイナスはないので、プロセスの初期段階や交渉期間中であれば、あっさり同意を得られるケースは多いです。言い辛ければ、アドバイザー経由で形式的に伝えることでも大丈夫です)。


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